温泉
この場所の物語
肌にふれた瞬間、細かな泡がじわじわと体を包んでくる。それが、ここの湯の第一印象なんです。初谷温泉の炭酸泉は、源泉がひんやりとしていて、それでいて泡立ちながら体にまとわりついてくる、すこしふしぎな感触があります。千曲川流域の山間にひっそりとある一軒宿で、浸かっているとだんだん時間の流れが変わってくるんだなあ。
長く滞在する人には、この静けさと独特の湯の感触が、日々のなかにすっと溶け込んでいくと思うんです。生活の拠点として考えると、平日のみのバス便という交通事情が、逆にここの時間感覚をかたちづくっているようでもある。訪日客にとっては、炭酸泉という湯の個性そのものが、どこにもない体験になるんじゃないかな。
1885年に見つかったこの源泉は、ずっとこの山のなかで泡を立てつづけてきた。歩いて宿にたどり着くまでの1.3kmも、その物語の入口なんです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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