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この場所の物語
多摩川沿いの梨畑が、住宅地のすぐそこに残っているんですよね。多摩ニュータウン開発の波を受けながらも、多摩丘陵の谷戸地形がそのままの形で生き残っていて、タヌキやオオタカが暮らす里山と、駅前のふだんの商店とが、不思議なくらい自然に隣り合っている。
稲城や多摩川梨を育ててきた農の記憶は、土地のどこかにちゃんと息づいていて、穴澤天神社の里神楽が今も奉納されているのを知ると、この場所が計画的に作られた新しい町だけではないことに、ちょっと気づかされるんです。JR南武線や京王相模原線で都心へ出られる一方、北緑地公園でシクロクロスが開かれ、城山公園で手づくりの市民まつりが続いているような、自分たちの場所を自分たちで育てようとする気配が、日常の中にそっとあります。
PC一台で仕事をする人にとっては、都心への距離感と静けさのバランスが、なかなかちょうどいいと思うんです。訪れる人には、よみうりランドのある丘陵の緑と、梨の産地としての農の風景とが、東京の郊外にこんな顔があったのかと、すこし意外な発見になるかもしれない。大丸用水が潤してきた平地と、古い遺跡の眠る丘と、新しい住宅地とが、同じ空の下にある。それが稲城という場所の、いちばん素の表情だと思うんですよ。
東京都稲城市に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 稲城
- 矢野口
- 稲城長沼
- 京王よみうりランド
- 南多摩
駅