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この場所の物語
吉祥寺駅の改札を出ると、すぐそこに本屋があって、ちょっと先に公園があって、井の頭自然文化園がある、という具合に、「行く場所」が自然に積み重なっているんですよ。JR中央線と京王井の頭線が交わるこの駅を軸に、新宿にも渋谷にも乗り換えなしで出られるのに、街のなかはどこか落ち着いていて、散歩のペースで動けるんですよね。
武蔵野という名前を聞いて、都心から少し離れた住宅地を想像する人もいるかもしれないけれど、実際に暮らしてみると、武蔵野プレイスで本を借りて、吉祥寺音楽祭の音を路上で聞いて、という日常が、ごくふつうに続いていくんです。市民参加の施策を積み重ねてきた歴史があるからか、街のあちこちに「住んでいる人が使うために作られたもの」の手触りがある。
1942年に開園した井の頭自然文化園を訪れると、ツシマヤマネコの飼育研究をしているという事実に、ちょっとはっとする。観光のための場所というよりも、この街に根を張って続いてきた場所なんだなあ、と感じる。武蔵野桜まつりも吉祥寺アニメフェスティバルも、外から呼び込むというより、ここに住む人たちがたのしむために積み上げてきたものに見えて、そこがいいんです。
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