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この場所の物語
狭山丘陵のふちを歩いていると、東京にいることを、すこし忘れそうになるんですよね。都立狭山公園から多摩湖のほとりへ出る道すがら、茶畑のにおいがかすかに残っていて、東京狭山茶の産地としての記憶が、ちゃんとこの土地に息づいているのがわかります。
多摩都市モノレール線と西武拝島線が交わるように通っているから、ふだんの移動はわりとすんなりしていて、都心に出る日も、丘陵沿いを散歩する日も、同じ暮らしの地続きにあるんです。軍事施設の跡地が公園や住宅地に変わってきた歴史を、東大和市立郷土博物館でたどることができて、この土地の地面の下にある時間の重さを、静かに実感できます。
多摩湖梨という名前も、なんだかいいなあと思うんですよ。貯水池と丘陵と果物と茶畑が、東京の住宅地とごく自然に隣り合っている、そのぐあいが、この場所のいちばん素の表情なのかもしれません。
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