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この場所の物語
玉川上水の水音が、いまも遊歩道の緑のなかにひそんでいるんですよね。江戸時代に掘られた用水路が、そのまま散歩道になっている、という暮らしの重なり方が、小平のふだんの風景にはあって、すこし不思議な感じがします。武蔵野台地の平らな地面の上に、糧うどんやブルーベリーや、有楽製菓の工場が、ごく自然に並んでいる。
武蔵野美術大学 美術館・図書館のある通りを歩くと、美術の空気と住宅地の空気がそっと混ざり合っていて、どちらが主役というわけでもない、というぐあいがいいんです。鈴木遺跡資料館は日曜・水曜・土曜に無料で開いていて、旧石器時代の遺物が、ごく静かに待っている。
西武線の複数の路線が通っていて、青梅街道や五日市街道で都心ともつながっているのに、市内の道はどこか落ち着いていて、自転車でくるくる動き回れるくらいの、ちょうどよい平坦さがあります。ここに来て初めて、「東京の台地」というものの手触りを、足の裏で知る、という体験ができるんだなあ、と思います。
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