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この場所の物語
箱根ケ崎駅の改札を抜けると、東京狭山茶やシクラメンの紹介が小さなコーナーに並んでいて、ああ、ここはちゃんと農のある町なんだなあ、と気づくんです。北部の畑や茶園は、狭山丘陵の雑木林とつながっていて、野山北・六道山公園を歩くと、都内の町とは思えない静けさがある。
村山大島紬や東京だるまといった手仕事の品が、この町に根を張って続いているのも、なんだかうれしいんですよね。阿豆佐味天神社の境内には、宿場町・箱根ヶ崎から連なる長い時間の積み重ねがあって、旧石器時代の石槍を展示するけやき館とあわせて、ふだんの散歩道が、そのままゆるやかな歴史の道になっている。
南部に横田基地があるぶん、町全体の密度は低く、どこか余白のある土地なんです。国道16号や圏央道へのアクセスがよくて、JR八高線で動ける、という暮らしのぐあいも、ここをすこし特別にしている。瑞穂町図書館の読書テラスで本を開きながら、茶畑の風が来る午後を過ごすと、東京の中にこんな場所があったのか、と静かに驚くんですよね。
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- 箱根ヶ崎
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