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築地場外市場
市場は移っても、町は残った。 東京・築地。かつて、世界最大級の魚市場があった。2018年、卸売の機能は豊洲へ移った。 だが、場外市場は、ここに残った。 鮮魚、乾物、玉子焼き、刃物、…
市場は移っても、町は残った。
東京・築地。かつて、世界最大級の魚市場があった。2018年、卸売の機能は豊洲へ移った。
だが、場外市場は、ここに残った。
鮮魚、乾物、玉子焼き、刃物、鰹節。約四百の店が、狭い路地に密集する。早朝から、活気がある。
板前が、仕入れに来る。観光客が、海鮮丼を食べる。職人が、自分の包丁を研いでもらう。
ここは、プロのための町だった。今も、その気配が残っている。本物の道具、本物の食材。ごまかしがない。
築地という名は、「土を築いた」という意味。江戸時代、海を埋め立ててできた土地だ。
埋め立て地に、市が立ち、町ができ、文化が育った。
移転しても、人の足は、ここを覚えている。
東京を代表する食の市場。
日本橋の石畳の上に、いまも国道路元標が埋まっているんですよね。五街道の起点がそのまま都市の真ん中に残っていて、ふだん歩いていてもつい立ち止まって足元を見たくなる。
アーティゾン美術館や国立映画アーカイブが徒歩圏にあって、散歩の途中で映画フィルムの保存史に触れたり、西洋絵画をさっと見て帰ったりできる、そういうぐあいが中央区のふだんの使い方なんだと思います。三井記念美術館には三井家の伝来品がずらりと並んでいて、財閥の時代の空気がそっくり残っているような感触があります。
隅田川には永代橋や勝鬨橋が架かっていて、橋の上に立つと川風と鉄の匂いがまじって、この街がずっと水と一緒に生きてきたことが、なんとなく体でわかるんです。三越日本橋本店は越後屋から続く店で、陳列販売という形式をここで始めたと聞くと、いまのショッピングの原型がこの場所にあったんだなあと、すこしふしぎな気持ちになります。金融業や出版業のビルが並ぶ通りを歩きながら、江戸の商いの格式がそのまま現代の仕事の密度に重なっているのが、この街の一番の手触りかもしれません。
東京都中央区に泊まる