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江戸川区花火大会
最初の五秒で、千発。 オープニングがすごい、と語りつがれる花火大会。いきなり千発を撃ちこむ。観客の心を、最初につかんで離さない。 川をはさんで、千葉県市川市と同時開催。両岸あわ…
最初の五秒で、千発。
オープニングがすごい、と語りつがれる花火大会。いきなり千発を撃ちこむ。観客の心を、最初につかんで離さない。
川をはさんで、千葉県市川市と同時開催。両岸あわせて見上げる人は、百四十万人。ひとつの花火を、二つの県が見る。
BGMにあわせて、八つのテーマがうつろう。富士山。ダイヤモンド。江戸川の夜が、物語になる。
チケットも、席のへだても要らない。下町の、いちばん大きな夏休み。
小松菜の畑と、金魚の養殖池が、住宅街のすぐそばにある、というのが江戸川区のふだんの顔なんですよね。荒川と江戸川にはさまれた低地に、水の記憶がそっと残っていて、古川親水公園はそもそも日本初の親水公園として生まれた場所なんです。水辺と緑が暮らしのすぐ隣にある、というのは、ここに根を張って生きる人にとって、じわじわとうれしいことだと思う。
葛西臨海水族園のドーナツ型の大水槽をマグロが回遊するのを、ぼんやり眺めていると、都心からすこし離れただけで、こんなに視野がひらけるんだなあ、と気づきます。葛西駅の高架下には地下鉄博物館があって、実車両や運転シミュレーターが待っていて、子どもも、鉄道好きの大人も、同じ目線で夢中になれるんです。
江戸川区花火大会の夜、篠崎公園の河川敷から空を見上げる人たちの顔が、みんなすこし子どもに戻っているのも、この町らしい気がします。善養寺の影向のマツ、江戸風鈴、葛西囃子——土地の手仕事と音が、ベッドタウンという言葉だけでは語れないものを、ここにきちんと残してくれているんですよね。
東京都江戸川区に泊まる