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この場所の物語
高見川の水音が、ずっと遠くから聞こえてくる村なんです。台高山脈の北のふちに抱き込まれた東吉野村は、スギとヒノキの山が幾重にも重なって、空がすこし遠い。
1905年にニホンオオカミの最後の個体が捕獲された地として記録に残り、幕末には鷲家口の戦いが起きた場所でもある。そういう時の重みが、道の脇の石ひとつにもひっそりとしみついているようで、歩いているとちょっと、ふだんとは違う呼吸になるんですよね。丹生川上神社中社のツルマンリョウ自生地は国の天然記念物で、雨乞いの信仰がいまも続く境内に立つと、この土地が何百年ものあいだ、山と水を中心に動いてきたことがわかる気がします。
やはた温泉やたかすみ温泉で湯につかり、朴の葉寿司やアマゴのことを考えながら、木工の仕事が続く山村の夕方を過ごす。2017年に再開した小水力発電所「つくばね発電所」が、かつての電力を村に取り戻したように、ここには途切れながらも続いてきたものが、まだちゃんとある。国道166号を走って高見峠を越えれば三重とつながる、その地理のおかげで、孤絶というよりは「奥にある」という感じで、長くいるほどに、この村の静けさが、にぎやかに見えてくる。
奈良県東吉野村に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 丹生川上中社のツルマンリョウ自生地
- 室生赤目青山
- やはた温泉
- 高見山
文化財
自然公園
温泉
山