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この場所の物語
売木川のほとりに立つと、水の音だけが聞こえて、それ以外はほんとうに静かなんです。天竜奥三河の山々に囲まれた小盆地に、トウモロコシやアマゴをつくる暮らしがひっそりと続いていて、道の駅南信州うるぎの農産物直売所に並ぶ野菜を見ると、この土地が毎日ちゃんと動いているのがわかる。
おじろく・おばさという、山村共同体が生んだ歴史的な制度の名残を、土地はどこかに静かに抱えたまま、いまはウルトラマラソンの選手たちが高地で足を鍛える場所として新しい使われ方をしているんですよね。その二面性が、売木村のふだんをすこし複雑にしていて、おもしろい。
岩倉ダムのダム湖畔でテントを張って、夜にうるぎ星の森音楽祭の余韻を思い出すような過ごし方もできるし、1594年開創の寶藏寺の山門のそばをただ歩くだけでも、時間の積み重なりがじんわり伝わってくる。鉄道は通っていないから、来るまでにすこし手間がかかる、その手間が、着いたときの静けさをよりほんとうのものにしてくれるんだなあ。
長野県売木村に泊まる
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- 天竜奥三河
自然公園