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この場所の物語
朝、球磨盆地に霧がかかるとき、あさぎり町という名前の由来が、ふいに腑に落ちるんですよね。秋から春にかけて、その霧は盆地にやわらかく寝そべって、白髪岳のほうへゆっくり引いていく。
くま川鉄道の湯前線に乗って、あさぎり駅で降りると、駅舎に図書館とJAが合築されたポッポー館がある。本を借りて、買い物をして、温泉に寄って帰る、という一日の動線が、ひとつの建物と徒歩圏にだいたい収まっている。そういうぐあいの、ちょっとおもしろい生活のかたちが、ここにはあるんです。
堤酒造の「恋草」や「奥球磨桜」は、明治から続く酒蔵が醸している。江戸時代に掘られた灌漑用水路の水が、いまも水田を潤していて、そのお米がお酒になる、という話のつながりが、土地の記憶をすこし身近にしてくれる。才園古墳から国の重要文化財が出土した地でもあって、田んぼの向こう側に、古墳時代からの時間がさりげなく積み重なっているんだなあ、と思う。
岡留熊野座神社が「幸福神社」の別名で知られているのも、なんだかこの町らしくて、いいなあと思うんです。
熊本県あさぎり町に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 白髪岳
- あさぎり
- おかどめ幸福
- 東免田
山
駅