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この場所の物語
伊尾木洞の奥に、40種ものシダがびっしりと壁を覆っている。約310万年前の海が削った岩肌に、いまもしずかに水が滴っていて、そこだけ時間の刻み方がちがうんですよね。
安芸駅に降りると、ぢばさん市場でユズや冬春ナスが並んでいて、ふだんの買い物がそのまま旅のたのしみになるんです。土居廓中の武家屋敷を歩いたり、全国初の公立書道美術館である安芸市立書道美術館で筆の跡をながめたり、一日の使い方がゆったりと選べる。こまどり温泉で湯に入って、内原野焼の器を手に取って、それだけで一日が丸くなる気がします。
市域の大部分が山林で、安芸川が海へ向かって流れ、その下流にまちがひろがっている。土佐くろしお鉄道で高知市側ともつながっているから、拠点として使いながら、すこしずつ奥へ入っていける。岩崎弥太郎の生家に残る日本列島を模した庭石を見ると、この土地がずっと外へ向かうエネルギーを持ってきたんだなあ、と、じんわり感じます。
高知県安芸市に泊まる
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