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この場所の物語
線香の煙が、島のどこかでいつもゆっくりと空に溶けているような気がします。淡路市の産業の一端を担う線香づくりは、ふだんの暮らしの奥にひっそりと根を張っていて、観光地ふうの看板よりも、そういう気配のほうがこの土地の素の表情をよく伝えているんですよね。
明石海峡大橋を渡ってくると、津名丘陵の稜線と、大阪湾・播磨灘の水平線がほぼ同時に目に入ってきます。仮屋や育波の漁港では、海と陸がほんとうに近い距離で暮らしていて、淡路タマネギや淡路牛のことを思いながら買い物をするのが、ここでのふだんの一日になっていきます。安藤忠雄が設計した淡路夢舞台や、2021年に新築移転した淡路市立図書館(津名図書館)があることも、すこし長くいたくなる理由のひとつです。
伊弉諾神宮には、国生み神話の気配がいまも静かに漂っていて、五斗長垣内遺跡の丘に立つと、弥生の人たちがここで鉄を打っていたことが、遠い話ではなく感じられます。岩屋商店街の扇湯は昭和初期からの天然温泉銭湯で、橋を渡ってきたばかりの旅人も、島に根を張って生きている人も、同じ湯につかっているんだなあと、それがなんだかいいんです。
兵庫県淡路市に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 五斗長垣内遺跡
- 徳島藩松帆台場跡
- 舟木遺跡
- 野島断層
- 江埼灯台
- 瀬戸内海
- 妙見山
- 仮屋
- 育波
- 桃川
- 釜口
文化財
自然公園
山
漁港・港