1件の予定
熊野筆・筆づくり体験
世界の頬を、なでる筆。 熊野。広島の山あいの小さな町。日本の筆の、八割がここで生まれる。書道の筆も、化粧の筆も。 世界中のメイクアップアーティストが、この町の化粧筆を使う。…
世界の頬を、なでる筆。
熊野。広島の山あいの小さな町。日本の筆の、八割がここで生まれる。書道の筆も、化粧の筆も。
世界中のメイクアップアーティストが、この町の化粧筆を使う。
毛をそろえ、束ねる。何百本もの毛先を、一本の筆にまとめる。気の遠くなるような、手しごと。
山あいの町の職人の指が、世界の美をささえている。その一本を、自分でつくってみる。
筆を持つ手の動きを、職人が静かに見せてくれる場所が、この町にはあるんですよね。筆の里工房では熊野筆の実演と体験ができて、化粧筆の毛をひとつひとつ整える手つきを間近で見ていると、ふだん何気なく使っているものの向こう側に、ずいぶん長い時間があることに気づくんです。
熊野盆地は四方を山に囲まれていて、鉄道の駅がないぶん、バスと車で暮らしが組み立てられている。広島市や呉市へのバスが通っているから、都市に出る日と、町の中でゆっくり過ごす日を、自分のぐあいで使い分けられるんです。そういう、すこし自分でリズムを決めやすい場所って、いいなあと思う。
くまやきや炒り子といった、この町ならではの食べものがあって、筆まつりのときには町全体がにぎやかになる。熊野筆という名前は世界の化粧業界にも届いていて、遠くから来た人が筆の里工房でセレクトショップをのぞくと、「これがあの」という顔になるんです。手業の文化と、ふだんの暮らしが、同じ盆地の中にそっと並んでいる。
広島県熊野町に泊まる