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この場所の物語
二岐温泉の湯は、969年に開かれたというから、ずいぶん長いあいだ、この山の奥でひっそりと湧いていたんですよね。つげ義春がここを訪ね、漫画に描いた、というのもわかる気がして、どこか「見つけてしまった」という感じが、いまもこの村には残っているんです。
奥羽山脈を東西に抱えた地形のせいで、太平洋側と日本海側、ふたつの水系がこの村のなかで分かれていく。会津と中通りを結ぶ国道118号や294号が走り、新白河駅から送迎バスでたどり着けるので、PCひとつ持って数週間いても、ふだんの暮らしの輪郭がちゃんと保てるんです。道の駅季の里天栄で天栄米を買い、自炊して、湯に入って、また仕事をする、という一日がごく自然に組み立てられる。
羽鳥湖のまわりにはリゾート施設が点在していて、ブリティッシュヒルズというイギリス街並みを再現した施設まであるから、はじめてこの村に来た人は、すこし目を丸くするかもしれない。でも、ノーザンファーム天栄で競走馬が走り、農家が米食味コンクールで何年も金賞を取り続けている、という地べたの話を聞くと、この村の底にある真剣さみたいなものが、じわっと伝わってくるんです。秘湯と農業とリゾートが、不思議な顔で並んでいる、いいなあと思う場所です。
福島県天栄村に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 日光
- 二岐ふたまた温泉
自然公園
温泉