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この場所の物語
参道の石畳を歩いていると、鰻を焼く煙がすっとのぼってきて、千年ぶんの昼ごはんのにおいがするんですよね。川豊の店先で職人が鰻を割いている、その手つきと速さを、旅のはじめに見てしまうと、ちょっとこの町のことが好きになるんです。新勝寺の境内は23万平方メートルもあって、重要文化財の建物がふだんの参拝道にそのまま並んでいる、そういうぐあいで歴史が日常に溶けこんでいる場所です。
それでいて、空港へは車で出られて、世界中からの荷物が成田市公設地方卸売市場を通って国内へ散っていく、そんな動きが北総台地の丘の下でずっと続いているんです。リモートで仕事をしながら、朝に参道を散歩して、夜は地酒を開ける、というふだんの暮らしが、ここではわりと自然につくれそうだなあと思います。
成田ゆめ牧場では蒸気機関車が動態保存されていて、それが空港の管制塔と同じ空の下にある、というのが、この土地のすこしふしぎでいいところで、訪日客がはじめて降り立った場所が、門前町の入口でもある、というのも、なかなかおもしろい偶然なんですよ。
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