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この場所の物語
道の駅みのりの郷東金の棚に、東金天門どうの瓶が並んでいるのを見たとき、この土地の律儀さみたいなものを感じたんですよね。房総台地と九十九里平野のちょうど境目にあって、田んぼと丘陵の山武杉がすぐ隣り合っている、そのぐあいが、暮らしにそのままにじみ出ているようで、いいなあと思うんです。
八鶴湖のそばに、明治期からの八鶴亭という旅館が今も残っていて、北原白秋や伊藤左千夫といった文人が泊まった場所が、ふだんの散歩道のすぐかたわらにある、というのがこの町のおもしろいところで。歴史がガラスケースの中に入っていなくて、ちゃんと外気にさらされているんです。
成東・東金食虫植物群落という国の天然記念物の湿原があったり、菅原工芸硝子でガラス細工を自分の手で作れたり、松之郷のぶどう郷で秋に収穫を体験できたりと、土地のものを「受け取る」だけじゃなくて、すこし手を動かしながら関われる場所がちゃんとあるんですよね。JR東金線で千葉駅からおよそ三十五分、圏央道の東金インターチェンジも近いから、どこかに出かける日と、ここでゆっくりする日を、自分のリズムで組み合わせやすい。そういうぐあいの土地です。
千葉県東金市に泊まる