魚介の料理
栃木県
ニシンとタケノコの煮付け
さちとあじ · FOOD & DRINK
干した鰊と筍を一緒に煮る。海の無い土地に、乾物として届いた魚。
この場所の物語
田植えにしん、という呼び名があるんですよ。身欠きにしんは、鰊の頭と内臓を取って干したものです。乾いていて、たいそう硬くなっています。米のとぎ汁にひと晩浸けて戻し、匂いを抜いてから使います。戻したら小骨を取り、筍と一緒に切って、甘辛く煮ていくんですよ。
落とし蓋をして、中火でじっくり火を入れます。鰊の味が筍に移って、そちらのほうが旨くなるんですよ。そもそも、栃木には海がありません。新しい魚がふつうに食べられるようになったのは、冷蔵庫が広まってからでした。それまでは、遠くから運ばれてくる干した魚があてになりました。
田植えの日に神をもてなし、手伝いに来た人へ振る舞う膳があります。この煮付けは、その膳の欠かせない一品でした。始まりの日にも、終わったあとの宴にも出てきます。海から遠い土地の、いちばん人が集まる日の魚になります。旬は4月から5月にかけて、筍の出るころです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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