ONSEN
山形県
かみのやま温泉
Kaminoyama Onsen
温泉
街道沿いの共同浴場に、ふだん着のまま人が吸い込まれていく。かみのやま温泉というところは、城下町と宿場町と湯治場が一枚の地図にぜんぶ重なっているような、ちょっとふしぎな場所なんです。下大湯共同浴場は江戸のはじめから続いていて、地元の人たちがじぶんの風呂のように浸かりにくる。
そういう湯が街のあちこちに散らばっているから、歩くたびにまた別の湯気に出くわすんですよ。もともとは鶴が傷を癒したという伝えで開かれた湯で、丘陵のあいだから静かに湧いているんだなあ。イザベラ・バードがかつてこの道を通ったのも、街道の宿場だったからこそなんです。
長く泊まるなら、六つの温泉地区をすこしずつ巡る暮らしが自然にできる。多拠点で暮らす人には、駅が近くて城下町の生活圏がそのまま残っている手ざわりがうれしいはずです。海の向こうから来た人には、観光地として整えられすぎていない、日本の町がそのまま湯と一緒に息をしている感じを味わってほしいんです。
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