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この場所の物語
釜無川と塩川が盆地の北西端へ流れ込む、そのあたりに韮崎の暮らしはある。西には鳳凰三山をふくむ巨摩山地、東には茅ケ岳丘陵、ふだんの買い物をしながら、ふと顔を上げると山があるんですよね。武田氏が新府城を築いた七里岩の台地が、そのまま日常の景色のなかに残っているのも、すこしふしぎでいいなあと思う。
桃やぶどうの農地が広がるそばに、武川米の田んぼがある。中央本線で東京方面へつながっているから、週に何度か都心へ出ながら、この盆地の空気を拠点にするという暮らしの組み立て方も、無理なくできそうなんです。自炊の食材を探すにも、産地がすぐ近くにあるというのは、毎日のことだからじわじわうれしい。
韮崎大村美術館には、女性芸術家の作品が充実した絵画や陶磁器のコレクションがあって、付設の白山温泉で湯につかりながら一日をおわらせることもできる。観音ヶ岳や薬師ヶ岳へ向かう登山者が駅を通り、農家の軽トラが細い道を走る、そういうふだんの混在が、この土地の手触りをつくっているんだと思う。
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