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この場所の物語
海と工場の煙突が、おなじ空に並んでいる。大竹市というのは、そういう景色がふつうにある場所で、瀬戸内海の水面と石油化学の施設が隣り合っていることを、誰も不思議がっていないんですよね。
晴海臨海公園から海を眺めながら、ちりめんじゃこやいりこのことを考える、そんなふだんの時間がここにはあって、山陽本線の大竹駅や玖波駅から広島方面への通勤電車に乗る人たちの暮らしが、そのまま街の背骨になっている感じがします。PCを開いて仕事をしながら、夕方には弥栄峡の屏風岩のそばで川の音を聞く、そういう一日の使い方を、この土地の地形がゆるしてくれる気がするんです。
下瀬美術館があり、阿多田島灯台資料館では明治の灯台吏員の暮らしが残されていて、亀居城の跡に立てば瀬戸内海がひらける。工業都市という言葉だけでは収まらない、いくつもの層が重なっているのが、大竹のおもしろさだなあと思います。
広島県大竹市に泊まる