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この場所の物語
郡山城跡に立つと、丘陵がいくつも重なって、どこまでが城の敷地だったのか、見当がつかなくなるんですよね。中国山地に囲まれた小盆地の連なりが、毛利元就という人の地力を育てた地形だったのかもしれない、なんて思いながら、ただ風の音を聞いていられる場所です。
神楽門前湯治村では、かむくら座でひろしま安芸高田神楽を見て、そのまま湯に浸かって泊まれる、という一日があって、それがふだんの暮らしのなかにすっと組み込まれているのがいいんです。PCを開いて仕事をして、夜は神楽の太鼓の音を聞く、という日の積み重ねが、ここでは自然にできそうで。
清神社の境内を歩きながら、地元の味噌や醤油、あるいは三矢の訓という名の日本酒の存在を知ると、戦国の史跡と発酵食の土地が、同じ一枚の地図の上にあることに、すこしおかしみを感じます。シイタケやユズといった山の産物が、日々の食卓にそのまま近い距離にある暮らしは、どこかほっとした手触りを持っています。
甲立古墳から郡山城跡まで、時代の層がいくつも重なっているこの土地は、歴史を「見に来る」というより、歴史の上を「歩いている」感覚が続く場所で、それがここの、ほかにはないぐあいだと思います。
広島県安芸高田市に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
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