菓子
奈良県 吉野町
葛餅
さちとあじ · FOOD & DRINK
吉野の葛を練って冷やす。透きとおって、黒蜜と黄粉で食べる。
この場所の物語
味がほとんどしないことが、この菓子の値打ちなんですよね。吉野の葛の粉を、水で溶き、砂糖を足して、火にかけて練ります。透きとおってきたら型に流して、そのまま冷やします。そこへ黒蜜と黄粉をかけて、はじめて食べものになるんですよ。冷やす時間は、2時間ほどあれば足りるそうです。
皿の上に置くと、向こう側の景色がすこし透けて見えます。関東にも同じ音の菓子がありますが、あちらは小麦のでんぷんを乳酸で発酵させたもので、白く濁っています。書く字も違えば、材料のほうも違うんですよ。同じ名で呼ばれているだけなんですよ。関東のものは、字のほうが久寿餅になっているそうです。
葛の粉は、山の蔓の根から取ります。掘って、砕いて、水に晒して、沈んだものを日に当てて乾かす。手間の割に、採れる量は多くありません。10キロの根から、1キロも取れないのだそうです。冷たくて、透きとおっていて、黒蜜をかけてはじめて菓子になる。夏に出てくる理由も、たぶんそこにあります。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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