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この場所の物語
浦富海岸の断崖に立つと、花崗岩が日本海に切り落とされていく、そのぐあいがなんとも潔いんですよね。洞門をくぐる遊覧船の白い航跡も、リアス式の入り江も、「山陰の松島」という呼び名がすこしもったいないくらい、ここにしかない表情をしている。
網代漁港でハタハタやカレイが水揚げされる朝の気配と、859年に開湯したという岩井温泉の「湯かむり」の所作が、ふつうに同じ町のなかで続いているんですよ。古い信仰の場である牛ヶ峰神社が山の向こうに控えていて、暮らしの時間の層が、ぎゅっと重なっているんだなあ、と思う。
JR山陰本線の岩美駅を起点に、温泉で一日ゆっくり過ごして、翌日は唐川湿原のカキツバタを見に歩く、そういうふだんのペースがちゃんと成立するんです。豪雪地帯という顔もあって、日本海気候の冬の重さと、夏の水質「AA」の東浜海水浴場の透明さが、同じ海岸線に宿っている。そのふり幅が、ここの暮らしをおもしろくしているんじゃないかな、とすこし、うらやましくなる。
鳥取県岩美町に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 岩井廃寺塔跡
- 浦富海岸
- 唐川のカキツバタ群落
- 山陰海岸
- 氷ノ山後山那岐山
- 岩美
- 大岩
- 東浜
- 網代
- 東
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