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この場所の物語
川越芋を育てる畑が、住宅地のすぐとなりにある。そのことが、この町のぐあいをよく表していると思うんですよね。
武蔵野台地の上に、江戸時代に柳沢吉保が開いた三富新田の区画が、いまも上富地区の風景のなかに残っている。落ち葉を集めて土に返す堆肥農法は、日本農業遺産にも認定されていて、その畑の列が、PC を開いて仕事をするふだんの暮らしのすぐそばにある、というのがなんともいいんです。
駅は町内にないけれど、志木や所沢や新座など、複数の路線の駅がぐるりと町を囲んでいて、どこへでも出やすい。印刷や出版の工場が集まる産業の地でもあって、農地と工場と住宅が、不思議なくらい自然に並んでいる。「トカイナカ」という言葉を自分たちで掲げているのが、正直でいいなあと思う。
川越芋の畑のわきを散歩して、関越自動車道の音を遠くに聞きながら、それでもここには土の匂いがある、というのが、三芳町のほんとうの手触りなんだと思います。
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