魚介の料理
山梨県 甲府市
あわびの煮貝
さちとあじ · FOOD & DRINK
海のない土地へ運ぶために醤油で煮含めた鮑。薄く切って身の締まりを見せて出す。
この場所の物語
海の無い県の名物が、鮑なんですよ。駿河の湾や伊豆の沖で獲ったものを醤油に漬け、木の樽に詰めて、馬の背で山を越えて運びました。山梨県の甲府と笛吹に伝わるものです。冷やす道具も、速い乗り物も無い時代のことになります。
山道で何日も揺られることになります。馬のからだがあたたかいので、樽の中も少しずつ温まる。樽は木でできているので、醤油の味だけでなく、木の匂いも移りました。甲府に着くころには芯まで染みて、出したときよりうまくなっていた。そういう言い伝えなんですよね。
運ぶための工夫が、そのまま料理になりました。薄く切って、肝も一口に切って、紫蘇や胡瓜と一緒に盛ります。噛むと硬く、あとから醤油と木の匂いが来ます。いまは贈りものとして買われることが多いようです。海から遠いということを、この土地はずっと名物にしてきたのだと思います。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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