ONSEN
大分県
別府八湯
Beppu Hatto
温泉
湯けむりが、あちこちから、ふつうに立ちのぼっているんです。洗濯物を干すように、この町では湯気がそこらじゅうにあって、それがふだんの景色になっている。別府という場所は、ひとつの温泉地というより、温泉でできた町そのものなんだなあ。
八つの湯がそれぞれ別の性格を持っていて、鉄輪のあたりを歩くと湯治場の静かな時間が流れているし、明礬では江戸の頃から続く湯の花づくりの技が今もつづいている。浸かる湯をその日の気分で選べるというのは、ちょっとふしぎなぜいたくなんですよ。
長く泊まるほど、この町は気づかせてくれるものが増えていく。買い物をして、路地を抜けて、共同湯に寄って帰る——そういう暮らしの輪郭がすでにできあがっている町です。海の向こうから来た人にとっては、フェリーで夜の海を渡って朝に着くという入り方も、すこしうれしい体験になるはず。
万葉の時代からひとが湯を浴びてきた土地の、その長い時間の厚みが、路地裏の蒸気のなかにふわっと漂っているんです。
ONSEN
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MATSURI
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