温泉
土器川の上流へ、バスで少しずつ山に入っていくと、あたりがしんと静かになってくるんです。阿讃山脈の麓、徳島との県境に近いその場所に、美合温泉はひっそりとあります。湧き出るのは10℃ほどの冷たい炭酸の泉で、ふだんわたしたちが「温泉」に持つイメージとはすこし違う、土のにおいのするお湯なんだなあ。
「湯山荘 阿讃琴南」に泊まって、いくつもある浴槽をゆっくり渡り歩くと、時間の流れがやわらかくほぐれていく感じがします。生活の拠点として置くには静けさが深すぎるかもしれないけれど、それがここの素の表情でもあるんです。訪日客にとっては、四国の山里でしか出会えない冷鉱泉という固有性が、ほんとうに珍しく映るはずです。
浸かって、歩いて、山の時間に体をあずける。そういう場所なんですよ、美合温泉は。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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