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この場所の物語
浮桟橋に降り立つと、潮の匂いとサンゴ礁の白さが、すぐそこにあるんです。ウカンかりゆすという定期船の名前のひびきも、なんだかやわらかい。宮古島から四キロ、橋のかかっていない大神島は、島のほとんどが聖域とされていて、ウヤガンという祖神祭の話は口づてに受け継がれてきたのだそうです。
おぷゆう食堂は、島でひとつだけの食堂であり、民宿でもある。カーキダコという干したタコが特産で、ふだんの食卓に、半農半漁の暮らしのかたちがそのまま乗っているんですよね。遠見台にのぼると、トゥンバラという巨石がぽつんとあって、見張りの場であった時間と、いまの静けさが、ひとつの風景にかさなっています。
一日四往復の定期便というぐあいの、ちいさな島時間。長く留まるにも、暮らしの拠点にひとつ加えるにも、よその国から来てはじめて触れる日本にしても、ここで受け取れるものは、たぶんぜんぶ違う手ざわりになる。それでいて、ノッチに削られた奇岩や、口承で語り継がれてきた歴史が、誰のまえにも同じように、ただ置かれている。
大神島に泊まる
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