鍋・汁
青森県 八戸市
せんべい汁
さちとあじ · FOOD & DRINK
南部せんべいを割って鶏と野菜の汁に入れ、煮えても崩れない歯ざわりを残して食べる。
この場所の物語
米が穫れない土地で、米の代わりに焼いた煎餅を汁へ戻します。鶏で出汁をとって、醤油の汁に野菜を煮ていきます。そこへ南部せんべいを、手でばりばり割って入れるんですよ。汁を吸っても、すぐには崩れません。ふやけながら、しばらく歯ざわりが残ります。
南部せんべいは、小麦粉と塩と水を鉄の型で焼いたものです。旧南部藩の領地、青森の南東から岩手の北にかけての食べものになります。戦前は、多くの農家がこの鉄の型を持っていたそうです。冷害の多い土地で、米が穫れないときの保存食でした。せんべい汁が生まれたのは、江戸の後ろの天保の飢饉のころだと言われます。
やませが吹いて稲が実らないので、小麦や雑穀を作りました。そのすいとんの代わりに、保存の利くせんべいを入れたんですよ。つまり、大きな輪が椀の中で閉じていることになります。煮えても崩れない歯ざわりが、この汁の値打ちです。冬になると、家でも店でもよく作られます。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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