鍋・汁
宮城県
おくずかけ
さちとあじ · FOOD & DRINK
野菜と麩を煮て葛でとろみをつける。彼岸と盆に作る精進の椀。
この場所の物語
名前だけが、もう入っていない材料を指し続けています。宮城の県南を中心に、春と秋の彼岸と、盆の時期に食べられてきた精進の料理です。家が亡くなった人のことを思う日の、その献立になります。数種類の野菜と、豆腐と油揚げ、それに豆麩を、椎茸の戻し汁で煮ていきます。そこへ白石温麺を加えて、葛粉でとろみを付けるんですよ。
名前は、その葛から来ています。昔は山野に自生する葛の根から、粉を取っていたそうです。いまは片栗粉でとろみを付けることのほうが、ずっと多いのだといいます。それでも、名前のほうは葛のままで残っています。白石温麺というのは、この土地に伝わる細い麺なんですよ。
素麺より少し太くて、作るときに油を使わないので、消化にいいとされています。法事で集まった人へのもてなしにもなります。仏前への供えにもなり、家のふだんの菜にもなるそうです。1つの椀が、そうやって3つの役をこなしていることになります。とろみがあるので、寒い時期にはなかなか冷めません。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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