漬物・発酵
和歌山県 新宮市
なれずし
さちとあじ · FOOD & DRINK
塩をした魚を飯とともに漬け、乳酸で酸くする。酢を使わない古い形。
この場所の物語
1か月かけて作ったものを、3日で食べ切るんですよ。酢のほうは、いっさい使いません。塩をした魚と飯を漬け込んで、あとは飯の発酵にまかせるんですよ。有田や日高では鯖、串本から新宮のほうでは秋刀魚や鮎と、その土地で獲れる魚を使います。鯖なら1か月より長く塩に漬けて、1日がかりで塩を抜きます。
米は、わざわざ古米を使うんですよ。粘りがあって、硬く握れるからだそうです。塩を入れて炊いた飯を握り込み、殺菌の働きがある葉できっちり巻いて、紐でくくります。それを桶にびっしり詰めて、上から重石を載せていくんですよ。5日ほどで、この寿司の匂いが家じゅうに立ちこめるのだといいます。
秋祭りの膳に出てくるものです。夜宮から祭りの日、その翌日まで、家族に1人1本ずつ配られます。だから、待つ時間と食べる時間の長さが、まるで釣り合っていません。それでも誰も文句を言わないのは、何が来るか分かっているからでしょう。決まりごとというのは、そういう形をしています。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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