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この場所の物語
荒川が山地を抜けて関東平野へ出ようとする、そのちょうど手前に、この町はあるんです。三本の鉄道路線が交わる駅の数だけ見ても、むかしから人やものが行き交う場所だったことが伝わってきます。
鉢形城跡を歩くと、秩父往還の宿場町として栄えた頃の地形のつかい方が、いまも足の裏から読み取れるような気がします。埼玉県立川の博物館には大陶板画『行く春』や大水車があって、荒川という川がこの地域の暮らしにとってどれほど大きな存在だったかを、静かに教えてくれるんですよね。
本田技研工業やボッシュの工場が町の産業を支えながら、寄居北條まつりや玉淀水天宮祭といった祭りごとがふだんの暦に刻まれていて、暮らしの層が厚いなあと感じます。街道と川と鉄道が重なったこの場所は、どこかへ出かけるにも、ここに根を張るにも、ちょうどいい按配になっているんです。
埼玉県寄居町に泊まる
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