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沖縄かなさ花火
「かなさ」は、いとおしい。 沖縄の言葉で、かなさんは「愛おしい」。その名をもつ花火が、宜野湾のビーチで上がる。亜熱帯の、早い夏。 本州より、ずっと早く梅雨が明ける。七月、すでに…
「かなさ」は、いとおしい。
沖縄の言葉で、かなさんは「愛おしい」。その名をもつ花火が、宜野湾のビーチで上がる。亜熱帯の、早い夏。
本州より、ずっと早く梅雨が明ける。七月、すでに真夏。エメラルドの海に、花火が映る。
三線の音。沖縄ポップス。エイサーの太鼓。そして花火。島の夏は、音にあふれている。
愛おしい、と名づけられた火。沖縄の人の、やさしさの色をしている。
普天満宮の鍾乳洞をくぐると、琉球古神道と熊野信仰が同じ暗がりの中に混ざり合っていて、ここはずっと、いくつもの時代のものが重なって生きている場所なんだなあ、と気づくんですよね。
市域のかなりの部分を米軍基地が占めながら、大山タイモの畑があって、宜野湾漁港でクルマエビが養殖されていて、そういうふだんの生業がちゃんと続いている。宜野湾市立博物館には大山貝塚から掘り出されたものや安座間原人の復顔像があって、この土地が人の暮らしをずっと受け止めてきたことを、静かに教えてくれるんです。
那覇から少し北へ行くだけで、国道58号沿いの生活感のある街並みと、東シナ海に面した宜野湾海浜公園のひらけた空気とが、すぐ隣に並んでいる。佐喜眞美術館の屋上から普天間飛行場を見渡すという体験は、どこにも似ていなくて、沖縄の現代を自分の目で受け取るための、ちょっと特別な場所になっていると思うんです。
はごろも祭りや琉球海炎祭のような祭事が今も続いているのも、そういう重なりの中で人が楽しみを手放さなかった、ということなんだろうなあ。
沖縄県宜野湾市に泊まる