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この場所の物語
玉川の岸に桜並木が続いていて、春のさくらまつりのころは、田んぼのあいだをぬける風も少し色づいて見えるんです。町域の大半を山林が占めていて、万灯呂山のあたりから見おろすと、民家と畑と丘がぴったり重なって、古墳のころから人が選んできた場所なんだなあ、とじんわりわかる。
JR奈良線の玉水駅には、南山城水害のときに流れてきたという巨石と水難記念碑が、ホームの片隅にそのまま置かれていて、駅が記録を持っているんですよね。もう一方の山城多賀駅は、岩を避けて設計された無人駅で、地形と折りあいながら鉄道が通ってきた、そのぐあいがそのまま残っている。
地蔵院のシダレザクラは京都府の天然記念物で、樹齢約280年の枝ぶりを、静かな境内でひとりで見上げる時間は、ちょっとほかでは替えがきかない。谷川ホタル公園では6月にほたる祭りがあって、春の桜から夏のほたるへ、季節の節目ごとに町が小さく動く。奈良時代の貴族・橘諸兄がここを愛でたという玉津岡神社の境内に立つと、ふだんの暮らしのすぐ隣に、ずっと昔の誰かの好みがそっと残っているのが、いいなあと思うんです。
京都府井手町に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 玉水
- 山城多賀
駅