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この場所の物語
水月湖の底には、何万年ものあいだ、静かに積み重なってきた縞模様があって、その一枚一枚が地球の時間を刻んでいるんですよね。福井県年縞博物館でそれを目の前にすると、ここに暮らすとか、ここに来るとか、そういう話とは別の、もっと大きなものに自分が置かれている気がしてくるんです。
熊川宿の石畳を歩くと、鯖街道の宿場の骨格が、いまもちゃんと残っていて、荻野家住宅のような古い建ちが、ふだんの空気の中にそのままあるのがいいんです。道の駅若狭熊川宿で若狭塗の器を手に取ったり、梅農家の畑が湖のそばに広がっているのを眺めたりしながら、ここに根を張ってきた人たちの暮らしのぐあいが、すこしずつわかってくる。
三方五湖はラムサール条約の湿地で、リアス式の海岸や北川の水系が、この町の地形をやわらかく区切っているんです。瓜割の滝の水が、天徳寺の境内でいつも変わらず湧いているように、ここには積み重なることで本物になるものが、たくさんあるんだなあと思います。
福井県若狭町に泊まる
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