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この場所の物語
朝、勝浦朝市に並ぶ干物や野菜を見ていると、漁師町と農村がひとつの場所でちゃんと続いていることが、じんわりわかるんですよね。1591年からつづくというその市は、水曜だけ休んで、あとはずっと開いている。
勝浦タンタンメンのこってりした辛さも、カツオ漁の港の匂いも、この町が「食べること」をまんなかに置いてきた証拠みたいなものだと思うんです。勝浦駅を降りてすこし歩けば、海の博物館があって、JAXA勝浦宇宙通信所の展示室も無料で開いていて、ふだんの散歩に混じってそういう場所がある、というのがいいなあ。
南房総国定公園の海岸線は、守谷海水浴場のあたりまでリアス式の入り組んだ地形が続いていて、同じ海でも毎日すこしちがう表情をしているんです。東京から75キロ圏内でありながら、山地が市域の大部分を占めているから、海と丘と港が密に重なっていて、暮らしの奥行きがある。長く滞在するほど、この土地の重なりかたが、少しずつほどけてくる感じがするんです。
千葉県勝浦市に泊まる
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