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この場所の物語
津軽平野のまんなかで、リンゴの木がずっと続いている。岩木川と十川が耕地のあいだを静かに流れ、林野がほとんどない分だけ、空がひろく見えるんです。江戸期の枡形町割がいまも道の骨格に残っていて、歩いていると、ふだんの暮らしの下に別の時代が重なっているのがわかる。
板柳駅を起点に、弘南バスが周辺の集落と結ばれていて、車がなくても動ける糸口がある。高増温泉は昭和初期に発見された塩化物泉で、別名を不動の湯といい、町のはずれでひっそりと湯を保っているんです。長くいると、こういう場所の存在がじわじわとありがたくなってくる。
ときわにんにくやマコモダケといった、よそではあまり見かけない特産品が、この平野の農地からとれる。旧板柳小学校の跡地に建てられた多目的ホールあぷるには、町の記憶がそのまま建物に乗り移っているような、すこし不思議な落ち着きがあって、いいなあと思う。リンゴ出荷で賑わった駅の記憶と、今日のふつうの午後が、同じ通りの上で重なっているんですよね。
青森県板柳町に泊まる
この場所の中身
この地に重なるもの
- 板柳
駅