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この場所の物語
テッポウユリの白とフリージアの黄色が、春の畑をまだらに染めるんですよね。沖永良部島は隆起サンゴ礁の島で、和泊町と知名町というふたつの町が、カルスト地形のうえにのっています。琉球と薩摩のふたつの文化が、ここで自然に混ざり合っているのが、なんだかふしぎでいいなあ、と思うんです。
黒糖焼酎の蔵が、稲乃露、天下一、昇龍と、三つもあるんですよ。夕方、和泊港にフェリーが入る時間になると、島がすこし動きだす感じがあって、空港からはATR機が鹿児島や沖縄へ飛んでいく。ふだんの暮らしと、外への航路が、ちゃんと地続きになっているんですね。
西郷南洲記念館には、流刑のころの痩せた西郷の像があるそうで、こういう歴史の層が、亜熱帯の風景のなかにそっと挟まっている。禅王寺は1470年ごろの建立だというから、北山の時代の気配もまだ残っているのかもしれません。花の香りと黒糖の甘さと、海から来る風と。すこし長くいると、その重なりがだんだんほどけて見えてくる、そんな手触りの島なんです。
沖永良部島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 沖永良部島
離島