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下甑島

island10km

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鹿児島県 / 薩摩川内市 甑島
この場所の物語

白亜紀の地層から恐竜の化石が出てくる島、と聞くと、なんだか足元の時間の厚みがちがって感じられるんですよね。下甑地域歴史民俗資料館にはビーダナシというフヨウから織られた布が並んでいて、夏には百合高原にカノコユリの薄紅が咲く。手打地区の武家屋敷通りには玉石垣がそのまま残っていて、小川氏の時代の手触りが、ふつうの暮らしの道沿いにある。

大みそかになるとトシドンという行事がはじまる、というのも、この島のふだんの一部なんだなあと思います。鹿島断崖の険しさや釣掛埼灯台の静けさは、本土からフェリーや高速船でわたってくるからこその距離感で、川内港の出発時刻が日々の輪郭をつくる。平家の落人伝説もキリシタンの歴史も、すこし掘ればすぐ顔を出す。

甑大橋ができて中甑島とつながったというのも、長く暮らす人にも、行ったり来たりする人にも、すこしうれしい変化なのだろうと思うんです。遠くから来た人にとっては、ナマハゲに似た冬の儀式がここに別の名前で息づいていること自体が、ちょっとふしぎな発見になるはずです。

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