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この場所の物語
ははじま丸が二見港から二時間。父島のさらに南、沖村というひとつの集落だけがある母島に着くと、乳房山の輪郭が島ぜんたいを抱え込むように立っているんですよね。オランダ艦隊やイギリス軍艦の名前が歴史に並ぶのに、いまは静沢の森遊歩道を歩く人の足音のほうがずっと大きく聞こえる、そういうぐあいの島なんです。
ロース記念館に残るフレデリック・ロースの暮らしの跡や、月ヶ岡神社のひっそりとした参道を眺めていると、ここに居ついた人たちのことを、すこし考えてしまう。パッションフルーツやミニトマト、カジキ、それからカカオからラム酒やチョコレートまでつくっているというのが、なんだかうれしい。畑と海と工房がひとつの島のなかでつながっているんですよね。
脇浜なぎさ公園のあたりまで来ると、ザトウクジラやマッコウクジラが回遊する亜熱帯の海が、ふだんの暮らしのすぐ隣にある。短く訪ねるには遠く、長く居るには小さいこの島の寸法が、かえって居心地のよさをつくっているのかもしれない。遠くから来た人にとっては、東京という地名の懐の深さを、ふしぎな手触りで知る場所になるんだと思います。
港のいま
映像は東京都港湾局が提供するものです。運航の可否を決定するものではありません。最新の情報は運航会社にご確認ください。
東京都港湾局提供
母島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 小笠原
- 母島
自然公園
離島