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この場所の物語
ソテツのトンネルをくぐると、数百メートル先に光がぽつんと見えて、その向こうに海が広がっているんですよね。徳之島というのは奄美群島のまんなかあたりにある島で、石灰岩のカルスト地形が削られて、犬の門蓋のめがね岩や、ムシロ瀬の花崗岩の岩棚みたいな、ふしぎなかたちをあちこちに残しています。畔プリンスビーチの白い砂は一・五キロほど続いていて、歩いているうちに、自分がどこまで来たのか、すこしわからなくなる。
ふだんの暮らしは、さとうきび畑と黒糖焼酎の蔵、それから亀津の漁港で水揚げされるソデイカやカツオに支えられているようです。島らっきょうやパパイヤ漬け、サタテンプラなんていう食べものの名前を聞いているだけで、台所に立ちたくなってくる。道の駅とくのしまに併設された世界遺産センターで島の成り立ちを知ってから、闘牛大会や夏目踊りの話を聞くと、「結の精神」という言葉の手ざわりがすこしだけわかってくる気がするんです。
カムィヤキの窯跡は十一世紀から十四世紀のもので、ずいぶん昔からこの島が南の海の交易の途中にあったことを教えてくれます。犬田布岬の戦艦大和の慰霊碑に立って、夕日のほうを向くと、長く滞在しても、何度か通っても、はじめて訪ねても、たぶん同じように、てげてげという言葉の意味を体で覚えていくんだろうなあと思います。
徳之島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
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