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この場所の物語
滑走路の白い線が、隆起サンゴの平らな島にすうっと伸びている。下地島空港はパイロットの練習のための場所で、訓練機が降りてくる音のほかは、ほんとうに静かなんです。人口は百人にも満たないと聞くと、ふだんの暮らしの音がどれほど小さいか、すこし想像がつくでしょうか。
通り池という名勝があって、水の層で色が変わるのだそうで、地面にぽっかり開いた穴を覗き込むようにして眺めるんですよね。帯岩は、昔の津波で打ち上げられたという大きな岩で、島の人がいまも手を合わせる場所になっている。中の島ビーチ、地元の言葉でカヤッファと呼ばれる入り江もあって、海の表情がそのつど違うんです。
伊良部島とのあいだには幅四十メートルほどの細い水道が続いていて、橋がいくつも架かっている。陸路で渡れるけれど、向こう側とはあきらかに空気がちがう。長く滞在するなら、この静けさが暮らしの基調になるし、拠点をいくつか持つ人にとっては、仕事から離れて頭をからっぽにする場所として効くと思う。遠くから来た人には、訓練機と祈りの岩と幻の池が同じ島にある、すこしふしぎなぐあいが残るはずです。
下地島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 下地島
離島