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この場所の物語
宇和島港から船に揺られて一時間あまり、細長い島影が見えてくる。日振島というその島は、ほとんどが山の形をしていて、平地はわずか、西の海岸は切り立った崖がつづくんですよね。船の便は日に何本かしかなくて、その数字を見るだけで、ここでの時間の刻み方がふだんとちょっと違うのだなあとわかる。
島の歴史をたどると、平安の藤原純友の名前が出てくる。城が森と呼ばれる小山には砦跡の伝承が残り、みなかわの井戸は純友も汲んだと伝わっている。海ではブリやハマチ、タイの養殖が営まれ、まき網漁や一本釣りの仕事がつづく。鯛めしや伊予さつま、ふくめんといった料理の名前が、海と暮らしのつながりをそっと教えてくれるんです。
日崎や大入の海水浴場、釣り客を泊める民宿。足摺宇和海国立公園にふくまれるこの島は、観光のための土地というより、海に生きる人たちの日常が先にある場所なんですよね。何日か宿に荷物をほどいて、井戸や碑をめぐり、夕方に港の灯を眺める。そういうすこしふしぎな滞在の仕方が、いちばん似合う島なのかもしれません。
日振島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 足摺宇和海
- 日振島
自然公園
離島