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この場所の物語
サトウキビ畑のあいだを抜けていくと、葉タバコの匂いがふっと混じる時間があるんですよね。来間大橋という長い長い農道橋を渡って島に入ると、ふだんの暮らしの音がずいぶん遠くなる。畑と空のあいだに、ぽつんと家々がある、そういうぐあいの島なんです。
竜宮城展望台にのぼると、向かいの与那覇前浜が白く伸びていて、海の色がふたつにも、みっつにも分かれて見えます。長間浜のほうへまわれば、夕日のための砂浜が、ほんとうにただ夕日のためにあるみたいに、ゆるく一キロほど続いている。観光地という顔をあまりしていないところが、すこし、ふしぎでいいなあと思うんです。
来間遠見という琉球石灰岩を積み上げた火番盛が、島のいちばん高いところに残っているんですよ。畑しごとの島で、人もすくなくて、けれど海の向こうを見張るための石積みだけはずっとそこにある。何日か泊まる人にも、ときどき通ってくる人にも、外から来た人にも、それぞれの距離でこの島はちょうどよく開いている気がします。
来間島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 来間島
離島