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この場所の物語
玄界灘のただなかに、周囲わずか四キロの島が浮かんでいる。沖ノ島と呼ばれるそこは、宗像大社沖津宮が中腹に鎮まり、田心姫神をまつる御神体そのものなんですよね。一般の人は今、上陸できない。だから手触りという言葉が、ふしぎな響きを持ちはじめる。
九州本土から六十キロ離れた海の上に、亜熱帯性植物の北限が広がり、海鳥たちが集団で羽を休める。古代の祭祀遺構が、シルクロードの三角縁神獣鏡や唐三彩とともに眠っているというのは、すこし想像が追いつかないくらいなんです。海を祀るとは、こういうことだったのかと思う。
訪れることのできない場所が、海の向こうに確かにある。その事実だけで、ふだんの暮らしや旅のあり方が、ちょっと違って見えてくるような気がするんです。遠くから手を合わせる、というやり方が、まだこの国には残っているんだなあ。
沖ノ島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 壱岐対馬
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