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この場所の物語
小倉の渡場から船に揺られて三十五分、馬島を経て着く藍島は、細長く平らな海岸段丘の島で、港に降りるとまず猫がのんびり寝そべっているんですよね。寄瀬浦、本村、大泊と三つの漁港があって、鯛やアワビ、ウニ、サザエを獲る漁師さんたちのふだんの仕事場が、そのまま島の景色になっている。診療所がひとつ、定期船が一日三往復という、ちいさな暮らしのものさしがあるんです。
日本書紀にも名が出てくる古い島で、六世紀の古墳群や、密貿易を見張った遠見番所の旗柱台が残っている。歴史の層が、ふだん歩く道のすぐ脇にある、というのがふしぎでいいなあ、と思う。
スナメリやアカウミガメが回遊する海を眺めながら、しばらく島で本を読んだり、釣り糸を垂らしたりして過ごす時間は、たぶん旅で来ても、何度か通っても、ここで一週間机を置いてみても、それぞれちがう手触りになるんでしょうね。猫と漁港と海、それだけで足りる島なんです。
藍島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 藍島
- 藍島
漁港・港
離島