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この場所の物語
多度津港からフェリーに揺られて瀬戸内海を西へ進むと、南北に細長い島影が見えてくるんです。佐柳島という、塩飽諸島のひとつ。本浦港に降り立つと、まず迎えてくれるのは猫たちなんですよね。島民は六十人ほどで、刺し網漁やタコ壺漁、イモやマメをつくる自給の畑が、ふだんの暮らしを支えています。
乗蓮寺には、咸臨丸に乗り組んだ平田富蔵のお墓が残っているんです。勝海舟や坂本龍馬の名と地続きの幕末が、こんな小さな島の土にしずかに眠っている。すこし、ふしぎな感じがします。
長崎港のほうへ歩いてみると、海と空のあいだに集落がぽつりと挟まっていて、人の気配よりも波と猫の足音のほうが大きいくらい。週末だけ笠岡から船が来るというリズムも、ここではちょうどいい間合いなのかもしれません。にぎやかさを置いてきた人にも、しばらく根を下ろして書きものをしたい人にも、はじめて日本の島に触れる人にも、それぞれのページがめくれる場所なんです。
佐柳島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 瀬戸内海
- 佐柳島
自然公園
離島