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この場所の物語
北条港から旅客船「あいほく」に乗って三十五分ほど、斎灘のまんなかに浮かぶ細長い島がぽつんとあるんです。安居島という名前で、東西に一キロちょっと、南北はほんの二百メートル。江戸の末から明治にかけて帆掛け舟の寄港地としてにぎわった時代の名残が、いまもひっそり集落のかたちに残っているのが、すこし、ふしぎな感じがします。
ふだんの島は本当にしずかで、雑木林に覆われた小さな丘と、漁業で暮らす人たちの息づかいだけがあるんですよね。ひじきや海藻、瀬戸内の魚介がとれて、夏になると西側の海水浴場が憩いの場になる。釣りに来た人は、南側集落の宿泊所に泊まって、海と向き合うようにして一日を過ごすことができるんです。
長く居ても、行ったり来たりの拠点として通っても、はじめての旅でも、たぶん受け取り方がそれぞれ違ってくる場所なんだと思います。かつて532人が暮らしていた島が、いまは数えるほどの住人になっている。その時間の堆積を、雑木林のあいだの道を歩きながらすこしずつ感じていく、そんな島のたたずまいがいいなあ、と思うんです。
安居島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 瀬戸内海
- 安居島
自然公園
離島