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この場所の物語
共同店の引き戸を開けると、ここが島の台所なんだなあ、と分かる。小さな商店と書かれた看板の通り、住民が出資してみんなで支えているお店なんですよね。サトウキビやサツマイモが育つ畑のあいだを、波状にうねる尾根が走っていて、琉球石灰岩の白っぽい土が足元にのぞいています。
野甫港からは伊是名島へ渡る船が出ていて、運天港から渡ってきた人がまたここから次の島へ繋がっていく。ふだんの島の交通が、そのまま旅の地図になっているような感じです。野甫大橋でひと続きになっているので、徒歩でも自転車でも、島と島のあいだを行き来できるのがうれしい。
ジューマの海の遠浅で釣り糸を垂らしたり、潮の引いた砂を歩いたりしていると、三千年前の貝塚がこのあたりに残っているという事実が、すこし、ふしぎな近さで迫ってきます。琉球王国の頃から続く農と漁の手つきが、今もそのまま暮らしの基本になっている。限られた水と向き合いながら、共同で店をまわす島の作法は、長く居るほどゆっくり馴染んでくるたぐいのものなんだろうな、と思うんです。
野甫島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 野甫島
離島